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【レビュー】ENDER LILIES ― 退廃的な世界観と、ちょうどいい難しさ | Particle & Prompt
メトロイドヴァニア STEAM インディー // 2026

【レビュー】ENDER LILIES
退廃的な世界観と、
ちょうどいい難しさ

BGMも含め退廃的な世界観の魅せ方が抜群で、探索しやすいユーザーに優しい設計。 難易度はそこそこあるが、理不尽ではない。クリアまで20時間以内の程よいボリューム。 子育て中のゲーマーにこそ刺さるインディーの傑作。

93/100
ENDER LILIES: Quietus of the Knights
開発:Live Wire / Adglobe 発売:2021年6月21日 クリア時間:〜20時間 Steam評価:非常に好評 ENDER MAGNOLIA:クリア済

01 | どんなゲームか

「死の雨」によって滅びた王国「果ての国」を舞台に、少女リリィと不死の騎士たちの物語が始まるダークファンタジーの2DアクションRPG。 ジャンルはメトロイドヴァニアで、広大なマップを探索しながらボスを倒し、新たなスキルや移動アクションを獲得して進行範囲を広げていく。

BGMは音楽集団「Mili」が全楽曲を担当しており、ゲーム全体のトーンと見事に一致した音楽体験が得られる。 ソウルライクの戦闘システムとメトロイドヴァニアの探索が組み合わさった作品で、 Steam評価は全言語で「非常に好評」、44,000件以上のレビューを獲得している。

02 | 世界観とBGMの作り方が別格

このゲームで一番好きなのは、世界観の「魅せ方」だ。 説明しすぎず、でもちゃんと伝わってくる。BGMがその全てを支えている。

退廃的な世界観のゲームは多いが、ENDER LILIESはその表現の密度が違う。 廃墟となった城や朽ち果てた村など、悲壮感が漂うフィールド。全体的に暗めの色調で描かれたビジュアルは、まるで静止画の絵画を眺めているような感覚を与える。

そこに重なるMiliのBGMが、本当に素晴らしい。 ピアノを中心とした優しくもどこか切なさを感じさせる旋律は、探索や戦闘を通じて物語の悲劇性を強調する。特定のエリアやボス戦では、音楽がその場の緊張感や感情の高まりを見事に表現している。 ボスを倒したときの感情が複雑なのも、BGMと世界観の作り込みゆえだと思う。

勝利と強化という本来喜ぶべき報酬が、こんなにも悲しいメトロイドヴァニアを他に知らない。 これは誇張ではなく、実際にそういう体験ができるゲームだ。

世界観スクリーンショット
🖼️ ss-02-world.png 推奨:廃墟のフィールド・雨に濡れた城など雰囲気が伝わる一枚
// 死の雨が降り続ける「果ての国」。静止画のような美しさが漂う

03 | 探索しやすいユーザーに優しい設計

メトロイドヴァニアの弱点のひとつは「取り逃したアイテムの場所を覚えていられない」こと。 ENDER LILIESはここへの対策が丁寧で、アイテム回収が済むと部屋の色がマップ上で変わる設計になっている。 これだけで探索のストレスが大幅に減る。

デスペナルティがなく、最終セーブ地点に戻されるだけ。回避の無敵時間も比較的長めで、理不尽に死なされる感覚がない。 難易度は確かにあるが「死ぬ前提で行動を覚えて突破する」という感覚が気持ちよく機能している。 Elden Ringで鍛えたゲーマーには「ちょうどいいくらい」の歯ごたえだった。

子育て中で「詰まってイライラしたくない、でも歯ごたえはほしい」という状況にもぴったりはまった。 20時間以内でクリアできる程よいボリュームも、セッションを細切れにしながら遊ぶのに最適だった。

マップスクリーンショット
🖼️ ss-03-map.png 推奨:マップ画面・回収済みの部屋の色変化が分かる一枚
// 回収済みの部屋はマップ上で色が変わる。取り逃しを防ぐ親切設計

04 | 各要素の評価

// RATING
  • 世界観・ビジュアル
    ★★★★★
  • BGM
    ★★★★★
  • 探索しやすさ
    ★★★★★
  • 難易度バランス
    ★★★★☆
  • ボリューム
    ★★★★☆
  • 周回性
    ★★★☆☆

05 | 良いところ・気になるところ

// GOOD
  • BGMと世界観の一体感が圧倒的
  • マップ設計が親切でストレスが少ない
  • デスペナなしで気軽に挑戦できる
  • 20時間以内で完結する程よいボリューム
  • ボスを倒したときの感情が複雑で深い
  • 続編ENDER MAGNOLIAへの期待が高まる
// NOT SO GOOD
  • スキルの一部は使い所が限られる
  • 周回要素はElden Ringほど豊富ではない
  • ストーリーは断片的で自力考察が必要
ボス戦スクリーンショット
🖼️ ss-05-boss.png 推奨:ボス戦シーン・緊張感が伝わる構図
// ボスを倒したときの感情が複雑なのは、BGMと世界観の作り込みゆえ

06 | こんな人におすすめ・向かない人

// RECOMMENDED FOR
  • メトロイドヴァニア入門を探している
  • 世界観・雰囲気重視でゲームを選ぶ
  • 子育て中でまとまった時間が取れない
  • 20時間以内で完結するゲームがいい
  • Hollow Knightが好き・気になっている
// MAYBE NOT FOR
  • Elden Ringのような長期やり込みが目的
  • 明快なストーリー説明を求める人
  • 死にゲー要素が一切苦手な人

07 | ENDER MAGNOLIAもクリア済み

続編にあたる「ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist」もすでにクリア済み。 ENDER LILIESの世界観を引き継ぎながら、システムがさらに洗練されている印象だった。 ENDER LILIESが気に入ったら確実に続けてやる価値がある。

こちらについては別途レビュー記事を書く予定。

リリィスクリーンショット
🖼️ ss-07-lily.png 推奨:リリィの印象的なシーン・エンディング付近など
// 主人公リリィ。この旅の記憶が、続編ENDER MAGNOLIAへと続いていく
// FINAL VERDICT
93

BGMを聴くだけで「あのゲームやりたい」と思わせるゲームは滅多にない。 ENDER LILIESはそれができる数少ない作品だった。

難しすぎず、短すぎず、世界観が圧倒的。 子育て中でゲーム時間が限られている今の自分には特に刺さった。 インディーゲームの良さを再確認させてくれた一本。

🎮 ENDER LILIES を Steam でチェックする
Next Review

次回は続編 「ENDER MAGNOLIA: Bloom in the Mist」 のレビューを書く予定。

🎮
あさゐ削
VFXデザイナー。子育て中のゲーマー。ENDER LILIESとENDER MAGNOLIAを両方クリア済み。次のレビューはENDER MAGNOLIAの予定。

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