article-06-llm-gamedev

LLMをゲーム開発のアイデア出しに使う3つの方法 | Particle & Prompt
生成AI VFX ゲーム開発 // 2026

LLMをゲーム開発の
アイデア出しに使う
3つの方法

OllamaでローカルLLMを試し、ChatGPTやClaudeも使いながら、 VFXデザイナーとしてゲーム開発にどう活かせるか探ってきた。 「使えそうだった」と「まだまだこれから」を正直に書く。

そもそもなぜ試したのか

ゲームのVFXを作っていると、「このエフェクト、どんな方向性にしようか」で詰まる瞬間が定期的にある。 炎のエフェクトひとつとっても、リアル系・アニメ系・スタイライズ系で全然違う。 方向性が決まらないと手が動かない。

そこに「LLMに壁打ち相手になってもらえばいいんじゃないか」という発想が生まれた。 人間のチームメンバーに「こんな感じのエフェクトどう思う?」と気軽には聞きにくい場面でも、 LLMなら24時間いつでも付き合ってもらえる。

使ってみてわかったのは「答えを出してくれるツール」ではなく、 「思考を整理する壁打ち相手」として優秀だということ。
// 試したLLM
  • 🖥️
    Ollama(ローカル)——オフラインで動く安心感がある。 仕事の企画段階など、外部に情報を出したくない場面で重宝した。 日本語精度はクラウド系に劣るが、アイデア出し用途なら十分使える。
  • ☁️
    ChatGPT / Claude(クラウド)——回答の精度・文脈理解ともに明らかに上。 特に「こういう雰囲気のエフェクトを言語化してほしい」という抽象的な依頼への応答が自然だった。 ただし業務の機密情報は入力しないよう気をつけている。

方法① エフェクトの方向性をLLMと壁打ちする

01
VFXの方向性・世界観の言語化
// EFFECT DIRECTION BRAINSTORM

たとえば「和風ファンタジーの炎魔法エフェクト」を作るとき、 「和風」「ファンタジー」「炎」の3要素をどうバランスさせるかで悩むことがある。 そこでLLMにこう投げてみた。

実際に試したプロンプト
INPUT
和風ファンタジーの炎魔法エフェクトを作りたい。 リアル寄りではなくスタイライズ寄りで、 墨絵や浮世絵の雰囲気も取り入れたい。 どんなビジュアル要素を入れると世界観が出るか、 箇条書きで10個アイデアをください。
返ってきた回答(抜粋)
OUTPUT
・炎の輪郭を墨のにじみ風に不規則にする
・炎の中に文様・家紋モチーフのシルエットを入れる
・金・朱・墨の3色に絞ったカラーパレット
・炎が消える際に墨汁が水に溶けるような残像を出す
・パーティクルを桜の花びら型のスプライトにする
…など10項目

全部そのまま使えるわけではないが、「墨のにじみ風の輪郭」「家紋モチーフのシルエット」 はすぐに試したいと思えるアイデアだった。 自分一人でゼロから考えると同じ方向性に偏りがちなので、 LLMが出してくる意外な角度のアイデアが刺激になる。

// 使えた度
★★★★☆ 発散フェーズに◎
// ローカルLLMでも使える?
△ 精度は落ちるが代用可

方法② ブループリントのロジックを相談する

02
Blueprintの構造・ロジック相談
// BLUEPRINT LOGIC CONSULTATION

VFXデザイナーといえどもUE5ではBlueprintを触る場面が多い。 「Niagaraのエフェクトをゲームイベントに合わせて発火させたい」 「特定の条件でエフェクトの色を切り替えたい」といったロジックを、 コードが得意ではない立場で組もうとすると詰まることがある。

そこでLLMに「こういうことをやりたいが、どのノードをどう繋げばいいか」と 日本語で相談してみた。

実際に試したプロンプト
INPUT
UE5のBlueprintで、プレイヤーがダメージを受けたときに Niagaraのヒットエフェクトを再生したい。 どのノードを使ってどう繋げばいいか、 初心者にもわかるように手順を教えてください。
返ってきた回答(要約)
OUTPUT
1. キャラクターBPでOnTakeDamageイベントを受け取る
2. Spawn System at Locationノードを追加
3. Niagara SystemにヒットエフェクトのNSアセットを指定
4. LocationにGetActorLocationを繋いで発生位置を設定
…実際のノード名まで具体的に教えてくれた

ノード名を具体的に出してくれるのが助かった。 「Spawn System at Location」という名前を知らないと 検索すらできないが、LLMに聞けば一発で出てくる。 「知らない言葉を知るための入口」として使うのが一番効いた。

ただし回答が古いバージョンのUE仕様に基づいていることがあるので、 そのまま鵜呑みにせず、実際に試して確認する必要がある。

// 使えた度
★★★★☆ 取っ掛かりに◎
// 注意点
△ バージョン差異に要注意

方法③ 煮詰まったときの「視点変え」に使う

3つ目はアイデアが出なくて煮詰まったときの使い方。 「全然違う角度から考えさせてくれ」という雑な投げ方でも、 意外と使えるアイデアが返ってくることがある。

// 煮詰まったときの投げ方サンプル
  • 💡
    「このエフェクト、ゲームのジャンルを変えたらどう変わる?」
    アクションRPG想定のエフェクトをホラーゲームに転用したらどうなるか、を考えさせると新しい方向性が出てくることがある。
  • 💡
    「このエフェクトの逆を作るとしたら?」
    「炎の逆」「スピード感の逆」のように逆張りを考えさせると、対比によって元のアイデアが整理されることがある。
  • 💡
    「子供向けにするとしたら何を変える?」
    ターゲット層を変える制約を課すことで、色・形・スケール感の見直しができる。

正直なところ・まだまだこれから

// HONEST REVIEW

「LLMを使えばアイデアが量産できる」というほど万能ではない。 特に具体的なビジュアルイメージを生成してくれるわけではないので、 最終的には自分の目と手で形にする必要がある。 あくまで「思考の補助輪」として使うのが今のところ正しい距離感だと思っている。

ローカルLLM(Ollama)とクラウド系(ChatGPT・Claude)を比べると、 アイデア出しの質はクラウド系が明らかに上。 ただしローカルの「情報が外に出ない」安心感は仕事では大きい。 用途によって使い分けるのが今のベストだと思っている。

次に試したいのはComfyUIと組み合わせて、テキストで出たアイデアをそのまま画像生成に流し込むワークフロー。 「LLMでアイデアを言語化 → 画像生成でビジュアル確認 → Niagaraで実装」という 流れが作れたら、VFX制作のスピードが変わりそうな予感がしている。 それはまたここに書く。

// まとめ
  • エフェクトの方向性ブレスト——発散フェーズに特に有効。10個アイデアを出させて2〜3個使えれば十分。
  • Blueprintのロジック相談——「知らない言葉を知る入口」として使うと詰まりが減る。鵜呑みにせず必ず検証。
  • 煮詰まったときの視点変え——雑な投げ方でも意外と使えるアイデアが返ってくる。
  • ⚠️
    万能ではない——ビジュアルを直接出してくれるわけではない。思考の補助輪として使うのが正しい距離感。
Next

次のステップとして「ComfyUIでテクスチャ素材を生成してUnityに取り込む」を試す予定。 LLMで言語化したアイデアを画像生成に流し込むワークフローを探っていく。

🤖
あさゐ削
VFXデザイナー。Unreal Engine / Unity でエフェクトを作りながら、生成AIをゲーム制作に活かす方法を模索中。OllamaとClaudeを行き来する日々。

コメントを残す

Particle & Promptをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む