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UE5 Niagara入門 ― VFXデザイナーが教える最初の一歩 | Particle & Prompt
UE5 VFX 入門 // 2026

UE5 Niagara 入門
VFXデザイナーが教える
最初の一歩

Niagaraは難しそうに見えて、最初の一歩さえ踏み出せれば意外とすんなり入れる。 UE4時代から使い続けているVFXデザイナーが、 初心者が最初に知っておくべきことをプロ視点のコメントも交えながら解説する。

// この記事を読んでわかること
  • 01
    Niagaraとは何か・Cascadeと何が違うか
    UE4のCascadeからNiagaraへ移行した経緯と、何が変わったかを整理する
  • 02
    Niagaraの3層構造を理解する
    System・Emitter・Moduleの関係。ここを理解すると全体が見えてくる
  • 03
    最初に作るべきエフェクトと手順
    シンプルなパーティクルを一から作る流れを追う
  • 04
    初心者がつまずく3つのポイント
    実務で見てきた「最初に迷いやすいところ」を先に潰しておく

01 | Niagaraとは何か

NiagaraはUnreal Engineに組み込まれたVFX(ビジュアルエフェクト)制作システム。 パーティクル・炎・煙・魔法エフェクト・環境エフェクトなど、 ゲーム内で動く視覚的な演出のほぼすべてをここで作る。

UE4まではCascadeというシステムが使われていたが、 UE5からはNiagaraが標準となった。 自分もUE4時代からCascadeを使ってきたが、 Niagaraに移行したときの第一印象は「できることが圧倒的に増えた、その分とっつきにくい」だった。

// Cascade vs Niagara
項目 Cascade(旧) Niagara(現行)
柔軟性 ある程度固定された設計 ほぼ何でも作れる高い自由度
学習コスト 比較的とっつきやすい 最初は概念理解が必要
CPU/GPUシミュ CPUのみ CPU・GPU両対応
カスタムロジック 限定的 HLSL記述も可能・自由度高い
今後の開発 メンテナンスのみ Epic公式が継続開発中
// PRO COMMENT

Cascadeは「決まった型の中で作る」感覚で、Niagaraは「プログラミングに近い柔軟さがある」感覚。 最初はCascadeの方が楽に感じるが、複雑なエフェクトを作ろうとした瞬間にNiagaraの強さが際立つ。 今から始めるなら迷わずNiagara一択。

02 | まず理解すべき「3層構造」

Niagaraで最初に覚えるべきことは、System・Emitter・Moduleという3層構造だ。 これを理解しないまま触り始めると「なぜここを変えたのに動かないのか」で詰まることになる。

System
複数のEmitterをまとめる最上位の入れ物。 シーンに配置する単位はこのSystem。 「爆発エフェクト」全体がひとつのSystem。
🔶 プロ視点:Systemは「演出セット」のイメージ。炎・煙・火花を別々のEmitterで作り、Systemにまとめる。
Emitter
パーティクルを実際に生成・管理する単位。 System内に複数置ける。 「炎のEmitter」「煙のEmitter」のように役割を分担する。
🔶 プロ視点:Emitterの再利用が効率の肝。共通のEmitterをライブラリ化しておくと制作が圧倒的に速くなる。
Module
Emitter内で動作する機能の最小単位。 「Spawn Rate(生成レート)」「Gravity(重力)」など、各挙動がModuleとして並ぶ。
🔶 プロ視点:Moduleの実行順が重要。上から順に処理されるので、依存関係があるModuleの並び順を意識する。
Particle
Emitterが生成する個々の粒。 位置・速度・色・サイズなどの属性(Attribute)を持ち、Moduleによって制御される。
🔶 プロ視点:ParticleのAttributeを自分で追加できるのがNiagaraの強み。Cascadeにはなかった自由度。
構造のイメージ
// Niagara System「爆発エフェクト」
└─ Emitter “炎”
   ├─ Module: Spawn Rate
   ├─ Module: Initial Velocity
   └─ Module: Color over Life
└─ Emitter “煙”
   ├─ Module: Spawn Rate
   └─ Module: Drag
└─ Emitter “火花”
   └─ Module: Gravity Force

03 | 最初に作るべきエフェクトと手順

最初は「シンプルなパーティクルを一から作る」だけでいい。 テンプレートを使わず、空のEmitterから始めることで構造が体に染み込む。
// 最初のNiagaraエフェクト作成手順
  • 01
    Niagara Systemを新規作成
    コンテンツブラウザで右クリック →「FX」→「Niagara System」。 テンプレート選択画面が出るが、最初は「Empty」を選ぶ。 テンプレートは便利だが、構造が見えにくくなる。
  • 02
    空のEmitterを追加する
    Systemエディタ内の「+Emitter」からEmptyを追加。 この時点では何も出ないが、これが土台になる。
  • 03
    Spawn Rateモジュールを追加
    EmitterのSpawn Groupに「Spawn Rate」を追加して数値を入力。 ここで初めてパーティクルが生成される。まず粒を出すことが最優先。
  • 04
    Initialize Particleで初期値を設定
    サイズ・色・ライフタイムをここで設定する。 最初は全部デフォルトでOK。まず「動いていること」を確認する。
  • 05
    Velocityを加えて動かす
    「Add Velocity」モジュールを追加して速度を与える。 パーティクルが動いた瞬間、急に「エフェクトを作っている」感覚になる。ここが楽しい。
  • 06
    Color over Lifeで色変化を加える
    誕生から消えるまでの色の変化を設定するモジュール。 グラデーションを設定するだけで見た目が一気に変わる。
// PRO COMMENT

テンプレートから始めると「なぜこうなっているか」がわからないまま進んでしまう。 遠回りに見えても、空のEmitterから手順通りに積み上げた方が後で応用が効く。 実務ではタイプごとにEmitterを用意して使いまわしたりもするが、理解しているに越したことはない。

04 | 初心者がつまずく3つのポイント

UE4時代からNiagaraを触ってきて、 後輩や周囲の人が詰まりやすいポイントは大体決まっている。先に知っておくと楽になる。

// よくあるつまずきポイント
  • 「変えたのに反映されない」
    Moduleの設定を変えたのにビューポートに反映されないことがある。 多くの場合はコンパイルが走っていないか、System全体を再コンパイルすれば解決する。 エディタ上部の「Compile」ボタンを習慣的に押すようにするといい。
  • 「Moduleの実行順がわからない」
    NiagaraはModuleが上から順に実行される。 たとえば「Velocityを変えるModule」より「Drag(抵抗)のModule」が先にあると意図した挙動にならない。 依存関係があるModuleは順番を意識するのが鉄則。
  • 「CPUとGPUの違いで迷う」
    EmitterはCPU SimulationとGPU Simulationを選べる。 大量のパーティクル(数千〜数万)はGPU、コリジョンや複雑なロジックはCPUが基本。 最初はCPUで作って、重くなってきたらGPUに切り替えると判断しやすい。

05 | 入門の次にやること

シンプルなパーティクルが作れたら、次は以下の順番で広げていくのがおすすめ。 一気に難しいことに手を出すより、一つひとつ「動いた」体験を積み重ねる方が確実に伸びる。

// 次のステップロードマップ
  • NEXT
    Mesh Particleを使う
    スプライトだけでなく3Dメッシュをパーティクルとして使う。破片・葉・石などのエフェクトに必須。
  • NEXT
    Curveで細かく制御する
    時間経過に合わせてサイズ・色・速度をCurveで変化させる。これができるとエフェクトの「メリハリ」が出る。
  • NEXT
    Blueprint・Sequencerと連携する
    ゲームのイベントに合わせてエフェクトを発火させる連携。実務では必須スキルになる。
  • NEXT
    カスタムModuleをHLSLで書く
    既存Moduleでは表現できない挙動をシェーダー言語で記述する。ここまで来るとNiagaraの真価が発揮できる。
// PRO COMMENT

HLSLまで手が届くようになると、NiagaraとComfyUIなどの生成AIを組み合わせた テクスチャ制作との相性も見えてくる。 ゲームVFXと生成AIの交差点は、今まさに面白い領域になってきていると思っている。 このブログでもその辺りをこれから掘り下げていく予定。

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次回は 「ComfyUIで生成したテクスチャをUnityに取り込む」 を試す予定。 Niagara × 生成AIの接点を探っていく。

あさゐ削
VFXデザイナー。UE4時代からNiagaraの前身であるCascadeを使い、Niagaraへの移行も経験。炎・煙・魔法から環境エフェクトまで幅広く制作している。

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